「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会第13回総会

 「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会は3月16日午後1時から、高松市玉藻町5、香川県立ミュージアム研修室で、第13回総会兼記念講演会を開きました。参加者は約60人でした。

総会は活動報告や会計報告など15分ほど。その後、「交流の場としてのヘンロ小屋、遍路、四国」をテーマにした講演会とシンポジウムに移りました。

 最初は四国夢中人代表・岡山理科大学非常勤講師、尾崎美恵さん(丸亀市在住)が「フランス人はなぜ四国遍路が好きなの?」と題して講演。フランスなどヨーロッパでの講演会の開催、フランス人ブロガーを招いての遍路体験など、遍路をPRしてきたことを報告し、「フランス人は日本文化に関心が高い。フランス語で四国、遍路に関して情報発信していくことが大事」と訴えました。

また、遍路が体験したフランス女性が「トイレに入ると、花が生けてある。そんな日本人の心に感心した」と語ったことを紹介。フランス人の日本に対する印象の一旦を示しました。

続いてプロジェクト主宰者の歌一洋さんが、休憩所づくりにかける思いを語りました。これまでに完成した56棟の写真をスクリーンに映して、早足でデザインの特徴などを説明。「小屋は手段であって、お遍路さんと地元の方など、さまざまな交流がその場で行われることの方が大事。遍路文化が日本中に、世界に広がってほしい」と、小屋にかける思いを伝えました。

最後はシンポジウム。香川県三豊市のヘンロ小屋53号・茶処みとよ高瀬(日韓友情のヘンロ小屋)でのお接待や、お遍路さんとの交流に焦点をあてました。パネリストは小屋にかかわているNPO法人まちづくり推進隊高瀬の宮崎史朗さん、河田芳久さん、それに支援する会の亀山啓司・香川支部長と歌さんが加わりました。

この小屋は2014年の支援する会総会がきっかけで誕生しました。総会で講演した韓国ソウル市在住の公認先達、崔象喜さんが話の中で「韓国と日本が協力してヘンロ小屋を造ろう」と呼びかけました。この話が具体化し、日韓で寄付集めをして、その年の秋に完成しました。

シンポでは小屋でのお接待について、河田さんと宮崎さんが「おせっ隊というグループができて月に2回、7〜8人が集まり、お茶とお菓子のお接待をしている。お接待の日に小屋で休憩した人は、『ラッキー』と言って喜んでいる」と報告。一方でおせっ隊のメンバーも楽しみしていて、「立ち寄るお遍路さんがいないと、がっかりする」と話し、交流の様子を伝えました。

小屋の中には世界地図が張ってあります。外国からのお遍路さんが立ち寄ると、出身国にピンを刺していて、15カ国ほどになったと、交流の実績を話しました。

講演会・シンポジウムの後は、隣の香川県民ホールのレストランで懇親会を開き、15人が出席しました。講師の尾崎のほか、遍路文化にかかわっているなど人が、そろぞれの活動内容を紹介し、楽しい意見交換の場になりました。





↑講演する尾崎さん

↑歌さんの講演



↑シンポジウム

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