ヘンロ小屋58号・月夜で竣工式

 徳島県阿南市新野町小砂取の遍路道沿いに建設していたヘンロ小屋58号・月夜が完成し、11月6日午前11時から現地で竣工式を行いました。参加したのは地元の方々、四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクトの歌一洋・主宰者、「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会の役員ら約30人でした。

場所は22番札所・平等寺から23番霊場・薬王寺に向かって約3キロの遍路道沿いで、バス停「月夜」の横です。地元の新野祐三さんから土地の提供を受け、歌が設計しました。ヘンロ小屋造りの趣旨に賛同した徳島の方々の義援金、アサヒビールから寄付金などを建設資金にあてました。

 式ではまず、平等寺さんから参列した2人による般若心経で始まりました。続いて歌が設計趣旨を説明。設計の際には毎回、その土地にまつまるものをモチーフにします。今回は近くの月夜御水庵の伝説を参考にしたそうです。 「弘法大師が杖で加持をすると清水があふれ、水底で光明を放つ石のため、闇夜も月夜になったそうです。屋根に丸い満月をあしらい、柱の下に白い石を置き、水の中の光る石に見立てました。いすは円形にし、お遍路さんと地元の方々らが話しやすいようにしました。背もたれは88枚の板を並べました」。歌さんは設計の意図について、こう語りました。

最後は支援する会の鍛谷幸一・徳島支部長のあいさつ。「ヘンロ小屋の目標は89棟(霊場の数+プロジェクトに参加したみなさんの思いを象徴する1棟)です。計画を進めるにはまず、土地が必要です。良い情報があればお知らせください」と締めくくりました。

式の後は、にぎやかに餅まきが行われました。大阪から訪れた女性のお遍路さんが式直後に通りかかって小屋利用の第1号となり、小屋に置いている落書き帳「ヘンロ小屋ノート」に記念の書き込みをしました。

歩きのお遍路さん必携の地図を発行しているへんろみち保存協力会(松山市)の田中伸二事務局長も、式に参列しました。協力会は小屋の前に、石の道標設置してくださるそうで、設置場所を確定する目的での来訪でした。

建設中のヘンロ小屋58号・月夜で平等寺さんによる般若心経

↑建中のヘンロ小屋58号・月夜の竣工式

↑建設中のヘンロ小屋58号・月夜の竣工式での記念撮影

↑建設中のヘンロ小屋58号・月夜の竣工式での餅まき
戻る