「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会第9回総会

 「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会は3月1日、大阪市中央区博労町1−17−11、「空の箱」(歌一洋建築研究所のビル名)で、第9回総会を開きました。あいにくの雨でしたが、約30人が参加し、講師の話に耳を傾けました。
 総会の中心は2014年の活動報告と会計報告です。小屋は▽50号・牟岐(徳島県牟岐町)▽51号。五色台子どもおもてなし処(松市)▽52号・日和佐海賊舟(徳島県美波町)▽日韓友情のヘンロ小屋(53号・茶処みとよ高瀬)の4棟が完成したことを、小屋の映像とともに紹介しました。
 記念講演会ではまず、辰濃和男・「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会会長があいさつに立ち、「利他の心」と題して話ました。「動物が人間を助けた例がいくつもある。利他の心は、人間の本能に組み込まれているのではないか」との考えを示すとともに、「利他の心をいつも磨いていないと、利己に負けてしまう」と締めくくりました。


      ↑辰濃和男会長


 続いて四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクトの主宰者、歌一洋さんが2014年に完成した4棟の小屋について、設計の趣旨を説明。さらに「お遍路さんや地域の人々が気分よくなったり、元気になったりすることが大事で、形や費用や材料は二の次。小屋には物語性があった方が楽しいので、地域の特性を生かしたものにしている」と、設計の基本的な考えを示しました。最後に「遍路文化が世界に広がっていけば、もっと住みやすい世の中になる」と訴えました。


      ↑歌一洋さん


 講演のメーンゲストは、徳島文理大学客員講師のモートン常慈さんで、演題は「外国人から見た四国遍路」でした。モートンさんはカナダ出身で日本国籍をとっています。外国人遍路などを研究するとともに、外国向けに四国八十八カ所の情報発信をしています。
 講演は豊富な資料やデータを交えて進められました。2014年に1番霊山寺(徳島県)の協力で外国人遍路の統計をとると、暑い8月で13人、10月には52人などを数え、1年間で300人あまりと推定しました。そのうえで、「年間の歩き遍路は50人前後」との考えを示しました。
 また、大正10年に四国遍路をしたシカゴ大学のフレデリック・コタールさんの日記を取り上げ、「親切にもてなされたことに感謝している」と紹介しました。現代の外国人の感想については、▽野宿をしても、警察に止められない▽外国人も受け入れる▽コンビニでトイレを借りることができる▽コインランドリーなどがあるので、あまりに荷物がいらない▽コミュニティーの一部になったような気がする▽1カ月のマジック――など具体例で報告し、聴衆の興味をひきました。



      ↑モートン常慈さん